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![]() Flashアニメの歴史(第3回〜Flashアニメーション胎動期) 1997年に「Flash」が登場したときは、まだウェブでは特に騒がれていなかったと思う。今は休刊となったデザイナー誌「design plex」などで新製品として紹介、操作方法の解説がなされたりはしていたが、同じマクロメディア製品ならDirectorで作るムービーが全盛であり、Flashはまだ影が薄かった。 しかし一方で、既にFlashが何であるかを認識し、草の根レベルで広めていこうと活動を開始していたグループがあった。それが1997年1月に作られた笠居トシヒロ氏によるメーリングリスト「flash-ml」である。もともとニフティサーブのパソコン通信サービスにあるBBSの1つ、「グラフィックフォーラム(FGRAPHIC)」通称「絵風蔵」(1994年)で活動していた笠居氏だが、「絵風蔵」で「Future Splash」がいまいち盛り上がらないのを受けて、ウェブ上で同士探しをする方向に展開したという。 1997年当時でもパソコン通信ユーザーの間では、インターネットはいまだ「流行りモノの一つ」という意識が残っており、わざわざ人や情報の少ないウェブよりも、濃いメンツが密に情報をやり取りするパソ通BBSの方が好まれる一面があった。しかし「絵風蔵」に通うほかのクリエイター達の「Future Splash」に対する扱いが、例えばDirectorの廉価版的な、マルチメディア作品を作るための補助ツールとしてしか認識されていないのを見て、もっとウェブに特化したアニメーション作成ツールとしての位置付けを見据えて活動を開始したのが「flash-ml」ということになる(※なお「絵風蔵」は2004年11月末に閉鎖した)。 「flash-ml」は基本的には質疑応答の場であるけども、笠居氏のほかにも、A.e.Suck氏、まつむらまきお氏、野中文雄氏を始め、Shockwave・Flashシーンの先端を行くクリエイターが多数参加しており、彼らのサイトで公開されている作品の数々を見れば、そのままウェブアニメーションの歴史を追体験できる。 一例として1996年からサイトを開き。「FLASH アニメーション完全攻略」という著作もあるA.e.Suck氏の「FLASH GALLERY」を見てみよう。A.e.Suck氏がこれまでに制作した作品が新旧問わず多数並んでいるが、ショート作品「罠〜The Trap」(1998年)の意表をつくオープニングや、「moring rion」(99年)の動きなどは、アニメーションの原始的魅力にあふれた良作だ。また、まつむら氏のサイトにあるDirector製アニメは、可愛いキャラクターがひょこひょこ動き回るシンプルながら魅力的な作品が多く、こちらもFlashアニメ前史として興味深い。 「flash-ml」が出来てから1年半後、1998年後半からFlashは大きな話題となった。6月に流れた「Shockwave Flashプラグイン Netscape Navigatorに標準搭載」というニュース、同時期に発売された「Flash 3J」の登場、同年11月にLinux用のプレイヤーがリリース……などなど、ウェブアニメーション作成ツールのスタンダードとしての地位を着々と築き上げ、「flash-ml」も参加者が増大していった。 こうしたブレイクを受けて、1999年、“クリエイターでない個人”が制作するFlashアニメーションの歴史において特に重要な動きである「Bak@fla」につながっていく。
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