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![]() Flashアニメの歴史(第6回〜長編Flashアニメーションの予告) Flashによる“長編”アニメーションは2000年末から2001年末にかけて始まった、と言ってしまっていいだろう。2000年12月末にはわずか9723件だったDSL加入者数が、2001年12月末までに150万件を突破。急速にブロードバンドが普及していった時期だ。 本連載の中心である「個人制作の」Flashアニメーションの歴史とは若干ズレるため深くは触れないが、企業提供のコンテンツとしては、現在はアニメ配信サイト「bb-anime.tv」を運営している株式会社コンテンツジャパン(2000年1月設立)が、「webアニメーションTV」と題してFlashを利用したアニメーションの制作・配信サービスを行って耳目を集めたのが記憶に新しい。アニメ配信の中でも、Flashを前面に出した企業サイトとしては、最初か、そうでなくとも極初期だろう。 コンテンツジャパン配信のFlashアニメでは、手塚治虫の人気漫画をFlashアニメ化した「ブラックジャック」が特に有名だろうか。2001年8月1日から有料配信された際に、個人サイト周辺でも大きく話題になったのを覚えている(→無料サンプル)。登場キャラクター・ピノコの声優に宇多田ヒカルを起用するなど話題性も十分で(声がイメージと違うなど賛否両論あったが)、半年で8万1800人の会員を集めたという。 このように企業が長編のFlashアニメである程度の成功を収める一方で、個人制作の側もブレイクしつつあった。長編GIFアニメの第一人者が「活動漫画館」ののすふぇらとぅ氏だとすれば、Flashによる長編アニメの第一人者は「MoRinono」の森野あるじ氏だろう。エニックス(現在のスクウェア・エニックス)が2000年7月から2年間ほど運営していた「熱湯猿多(ネットエンタ)」というサイトに、Flashのデザインとエンターテインメント性を結び付けた作家を紹介する「designed by」という連載コンテンツがあったのだが、その連載の第5回(2000年12月26日)に森野氏が登場し、同時にFlashアニメ「The Mother Mars 0」が公開された。 「The Mother Mars 0」は火星を舞台に繰り広げられる戦争SFアニメーション大作!……の“予告編”ではあるものの、その世界観の見せ方は、物語本編への期待を高めるのに十分すぎる出来栄えで、「Flashでこんなアニメが作れるのか」と皆に認識させるのに一役買ったと思う。 作品制作中、森野氏はのすふぇらとぅ氏のGIFアニメ「機動戦士のんちゃん」第4話に間接的に影響を受けたらしく、「artist goods.com」の対談インタビューでは「あまりのすごさに、3日へこみましたね」「のすさんに近づけるよう、マザーマーズの0(ゼロ)を気合い入れて作ったのを思い出します」と当時を振り返っている。同インタビューには前回取り上げたショートGIFアニメ「ピカプー」を「僕の師匠」と語るのすふぇらとぅ氏の姿もあるが、そののすふぇらとぅ氏は「のんちゃん」シリーズでウェブアニメーションの可能性を広げ、さらにそれに負けないよう森野氏がFlashで長編アニメを作る。歴史は突然作られるわけではない。 なお「Mother Mars」は予告編発表後、4年間の長い沈黙をはさんで、2004年11月に公式サイト上でようやく第1話が公開された。長編Flashアニメーションの予告編、いや出発点ともいうべき「The Mother Mars 0」から約3カ月後、森野氏はSFファンタジー作品「つきのはしずく」を発表する。 お詫びと訂正:「第4回〜ショートアニメーションの流行」にて、「Bak@fla」の参加資格などに関し、一部事実誤認がありました。お詫びして訂正いたします。
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