■ばるぼらの「教科書には載らないコンテンツの歴史教科書」: Flashアニメの歴史(第9回〜ムネオハウスとPV系Flash)
2005年6月2日 更新
2002年に入ってからは、Flashアニメの話題作が2ちゃんねるのFLASH・動画板から生まれることは珍しくなくなった。特に2月下旬に発表された森野あるじ氏の「YUKINO」のような、ある種正統派のアニメとは違う作風の潮流として、「ムネオハウス」関連で盛り上がった“PV系”の登場が挙げられるだろう。
「ムネオハウス」とはこの時期に問題になった、鈴木宗男議員が不正に入札介入した宿泊施設の俗称だが、それを音楽ジャンル“ハウス・ミュージック”とひっかけたジョークスレッド「アシッドハウス=ムネオハウス」が2ちゃんねるのテクノ板に立ち(2002年2月14日)、当該スレの97(21日)で鈴木氏の国会答弁での喋りをサンプリングした楽曲がアップされ、そうした曲を“ムネオハウス”と呼ぶことになった。このムネオハウスの曲に合わせたビデオクリップをFlashで作るのが流行し、やがて「音楽に合わせた映像作品」全般を“PV系”と総称するようになる。
ムネオハウスのPVで早い時期から話題になったのが「kikidog」(2001年7月10日リニューアル)のKIKI氏で、テレビでも紹介されたという「Muru-CORE PV」(2002年3月)を始めとする一連のFlash作品で広く親しまれた。作品を作るきっかけについては「入院中にムネオハウスにハマってしまい、それで卒論の時のプレゼンで使ったことのあるFLASHでなんか作ってみるかな、と」という発言が残っている(→FLASH板流行通信インタビュー)。KIKI氏は「PV制作委員会」というサイトも運営しており、PV系Flashの普及に一役買った。
PV系はその後、スキマ産業氏の「1000キタ━━━ (゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚) ━━━━!!!!!!!!!!」(9月15日)の大ヒットで普及し(一時期ソースが公開され亜流のクローン作品を作るのが流行した)、Flashムービーの1ジャンルとして認知されていくことになる。スキマ産業氏の処女作であるムネオハウスPV「Tears」(4月30日頃)は「Muru-CORE PV」に影響を受けて作られたというし(→FLASH板流行通信インタビュー)、それをたどるとムネオハウスの存在に感謝の1つでもしたくなってしまう。
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