■ばるぼらの「教科書には載らないコンテンツの歴史教科書」: Flashアニメの歴史(第12回〜2003年のFlashアニメーション・その1)
2005年6月7日 更新
「あのころのFlashが一番面白かった」とよく語られるのが2003年だ。その判断が正しいかはさておいて、そう言いたくなるのも分からなくはない。2001年のFlashのブレイクを皮切りに、2ちゃんねるを舞台に新しいコミュニティーの外枠が埋められたのが2002年。職人の増加とオンラインイベントの成功による勢いと共に、ジャンルが成熟する一歩手前の、文化が最も熱を放つ急成長期にあったのが2003年だったのだから。
そんな2003年に登場した中で、印象的だった人と作品を紹介していこう。2月下旬に発表された512kb氏による「2ちゃんねる大王」は、アニメ「あずまんが大王」のオープニングシーンを、2ちゃんねるのキャラクターを使ってパロディ化した作品で、処女作とは思えないクオリティの高さで一気に古典と化した、2003年最初の話題作である。その後公開は停止されたが、wosa氏の「うる★8つら」を起点とするアニパロFlash路線の、この時点での完成形といっていいだろう。なお512kb氏はwosa氏の「キ8ンディキ8ンディ」を見てFlashを志したらしいが(→FLASH板流行通信インタビュー)、この後「1000キタ━━━ (゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚) ━━━━!!!!!!!!!!(num1000)」のリミックス作品の中でも最高峰と呼ばれる「num1000 512kb cache mix」を発表し、幅広い表現力を見せつけた。
アニパロではほかにも、2ちゃんねる系キャラクターがちょこまかと動きまわる作風で有名な、AKIRA氏の「ヘッポコムービーズ」(2003年4月24日開設)が、わりと早いうちから注目されており、「どうする?」「きどうせんし… 」「1000 GET」などなど、一定以上の質の高さを持つ良作をコンスタントに発表していた。年末に公開された「アニメ2ちゃんねる」は、登場キャラクターのかわいくてキャッチーな姿にメロメロであった。
未乃タイキ氏「偽与野区役所」(2002年12月2日開設)の初期アニメシリーズ「終わらない鎮魂歌を歌おう」は、交通事故に遭い命を失った無気力な若者・耕太が、そこで出会った死神841号との対話と課せられた試験の中にきっかけを掴もうとする成長の物語だ。4つの短編に込められたメッセージ性の高さが評判を呼んだヒット作である。演劇サークル「劇団万絵巻」や演劇研究会「劇団トポス」による舞台上映もなされた。後に発表された続編「-青年のウタ-」や、物語の作り方をさらに突き詰めた「英雄にはなれない僕らだから」などは、どれも人気が高い。
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