萌えあがれ萌えあがれ萌えあがれ「妹ガンダム」
2006年12月26日 11:02
(しばた@OHPのオススメ漫画)
ガンヲタといえば、普段は一般社会にひっそりと溶け込みながら、何かあると「認めたくないものだな」「やらせはせん」「あの人に勝ちたい」などと呟いたり、ちょっと話を合わせようもんならガンダム豆知識を機関銃のように連発したりする、困った人々として知られている。その勢力は、ファーストガンダムから30年近くが経とうとしている今も、年々拡大を続けているんだからすさまじい。そして今回紹介する「妹ガンダム」は、身体を切ればガンダム色の血が流れてきそうな、血中ガンダム濃度高すぎなキャラたちが繰り広げる怒涛のギャグ漫画である。
本作の主人公は秋葉原に突然現れた、ノーマルスーツに身を包んだロリロリ少女・月蔵奈打(つきぐら・なだ)。彼女はジオンをこよなく愛し、将来その手でガンダムを倒せる子孫を一緒に作ってくれるお兄ちゃんを探し中。その行く手には数々の敵が立ちはだかるが、同じくジオン好きの兄から受け継いだ「ジオン空手」の使い手である奈打は、数々の必殺技を繰り出して、ジオンに仇なす者たちをどんどんぶっ飛ばしていく。
■「妹ガンダム」1巻~ 徳光康之 角川書店
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■月蔵奈打はジオンをこよなく愛する妹。その前に立ちはだかる妹・木槍保留二亜も、数々の超絶技を使いこなす強敵だ!!(第1巻54ページ)
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といったわけで本作では、奈打とライバルたちとの対決が主に描かれていくわけだが、その過程は実にダイナミックでぶっ飛んでて馬鹿馬鹿しいことこの上ない。ジオン空手により、奈打は大男も一撃で倒すジオン・アッパーを繰り出したり、素手でソーラ・レイを打ったりと、とにかくもうムチャクチャ。そのエネルギーが、純粋なるジオンへの妄想力であったりするのもこれまたすさまじ過ぎる。
奈打の前に立ちはだかるライバルもこれまた強力。妄想力によりホバークラフトで浮き上がり、分身してジェットストリームアタックをかけてくるドム系妹の木槍保留二亜(きやりほ・るにあ)はその代表格。見た目はかわいいのに、アホさ加減、突っ走りっぷりはとにかく最強。この勢いの前には、「そんなことできるわけねーだろ」的ツッコミは、ソーラ・レイの前のボールのごとくまったく意味を持たない。
作者である徳光康之のジオン好きは、ガンヲタの間では有名だが、それだけに一つ一つのギャグが細かくジオンへの行き過ぎた愛に満ち満ちている。マニアックなネタが山盛りで、生むを言わさぬ勢いがある。とにかくくだらないが、でも、そこがいい。これは良いものなのでぜひゲットするべし。ジーク・ジオン!!
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