田中ロミオさんによる哲学的なシナリオが2005年当時話題になった。物語へと引き込まれる、散りばめられた伏線とトリック、そしてすべてのルートを読み解くことで明らかになる謎の数々がプレイヤーを圧倒する。
Blogシステムでは、メッセージウインドウ内のキーワードがハイパーリンクとなっており、リンクを選ぶことでキーワードに関連する項目へジャンプする。まるでネットを見ているかのようにシナリオからシナリオへとストーリーが展開していく。
また本作では、あずさ、沙也加、葉子、笛子の4人のヒロインに個別ルートが用意されている。それらすべてをクリアすることで、最終ルート「戦争編」へと突入。「戦争編」で、各個別ルートに散りばめられた伏線や謎が解き明かされる。
貴宮忍(主人公)
両親がいないため、施設で育てられた少年。物心つく以前の記憶がほとんどないが、そのことはまったく気にしていない。無邪気な少年のように振る舞うこともあれば、円熟味を持った言動をしたりと、不思議なところがある。
友情を、特に7人の輪の友情を重んじており、仲間意識はとても強い。この7人は子供の頃からの付き合いで、幼なじみともいえる間柄。ある特殊な能力を持っており、それを「キー」としてこの物語は進んでいく。
紅緒あずさ
子供の頃、忍に命を救われたことがあり、それ以来大好きでいつも周囲をうろちょろしている。ずっと親しくしていたため様々な面で多大な影響を受けているが、最近ちょっと反抗期気味。感情表現がナチュラルで、タブーを介さない面がある。少年的な部分が強いが、それでも少女としての自分であろうと努力している(努力だけは)。章二とは忍を巡って犬猿の仲。
本堂沙也加
何でもそつなくこなす秀才タイプだが、好んで自己主張はしない。そのため7人組の中でお姉さん的立場にいる。
一見しておとなしいが、その思考は苛烈。だが、肉体的には少々虚弱。菜食主義者ではないが、肉類は苦手。茶道と合気道を嗜む大和撫子。
塚本葉子
天然系でマイペース。万事に動じない。
頭が良いがのんびり屋で、とろんとした瞳をしていつも眠そう。頭を使っている時だけきりっとしているが大抵はろくなことを考えていない。
自分の大切なものだけ大切にしてあとはさくっと切り捨てるタイプ。あまり笑わないが、グループの中では時折自然な笑顔を見せることも。
伊月笛子
忍たちとは別の進学校に通う、生真面目&強気な少女。ある種の潔癖症で、他人のミスを指摘せずにはいられない。そのくせ寂しがり屋で、1人になることを好まない。
また、精神的に弱く、自己犠牲的なところがある。華美なことには否定的で、規律の乱れや粗暴な振る舞いに対し病的に怯えている
樋口章二
忍の親友。口は悪いが、性格は単純で直情的。街でも一目置かれる存在で、情報にも敏い。
もともと友人が少なく、家族は疎遠に育ったためか、心の中ではこの7人の輪を神聖視している。とりわけ忍に対しては強い信頼と友情を置いているが、全員のことを大切に思っている。この輪を壊そうとする者がいた場合、全力を持って排除する意思と力を持っている。
肉が好き。肉食獣。
塚本斎
異常なまでに寡黙な、葉子の兄。忍と葉子、あとはほんの数人だけが彼の言葉を理解する。ストイックな性格で、義を重んじる。老成しており諦めの早い感はあるが、仲間内
では子供っぽい一面を見せることも。
剣道の有段者で、居合いも学んでいる。厳格な家庭に育ち、自由を知らなかったが、忍と出会って羽を伸ばせる場所を得た。