月面より王女来る「夜明け前より瑠璃色な」
2006年09月29日 19:47
(しばた@OHPのオススメ漫画)
「夜明け前より瑠璃色な」といえば、オーガスト作の美少女ゲームが好評だったし、この10月からはアニメ版「夜明け前より瑠璃色な -Crescent Love-」も放送予定なので、既に内容をご存じの方は多いだろう。今回紹介するのは、脳みそホエホエによる漫画版。と聞くと「よくあるギャルゲー系のメディアックス漫画でしょ?」「ゲームやってないからちょっと……」と思う人もいるかもしれないが、これが単体で読んでも十分面白い作品に仕上がっているのだ。
お話の方は、主人公である朝霧達哉の家に、ある日いきなり月の王国の王女様であるフィーナと、そのメイドのミアがやってきて、ホームステイを始めるところから始まる。フィーナはとびきりの美少女かつ高貴な身分ではあるが、高飛車なところは一切なし。達哉はもちろんのこと、その幼なじみである鷹見沢菜月や、達哉の1歳下の妹の麻衣ともすぐに打ち解け、達哉らと一緒の学校にも通うようになる。
■「夜明け前より瑠璃色な」1巻~ 作:オーガスト+画:脳みそホエホエ 講談社
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■右側が月の王女様のフィーナ、左側が達哉の幼なじみの菜月。3人仲良く買い食いしちゃったりする、ほのぼのした雰囲気が楽しい(第1巻104ページ)
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そんなわけで、王女様と一緒の日常および学園生活が展開されていくのだが、その様子がけっこう楽しい。脳みそホエホエの絵柄はシンプルだけどとてもかわいい。スッキリしているけどぷにぷに感もあって、見ててすごく気持ちイイのだ。本作がほのぼの暖かみのある作品となっているのは、この暖かみのあるかわいらしい作画の力がかなり大きい。
ストーリー面もいい感じでラブコメしている。とくに達哉のことが昔から大好きだった菜月の恋心は、甘酸っぱく描かれていて胸がキュンとするものがある。勉強や店の手伝いで一生懸命にこなしつつ、達哉とフィーナが仲良くしているのを見て小さな胸を痛める、その健気さに思わず萌える。またフィーナの方も、彼女はもしかすると達哉が子供のときに出会った想い出の女の子なのかも……という伏線が張られている。達哉がどっちを選ぶのかーという感じで三角関係から目が離せない状態だ。
といったわけで、かわいい絵柄と甘くセンチメンタルなストーリーが揃っている漫画版「夜明け前より瑠璃色な」は、完成度の高い、よくできたラブコメに仕上がっている。ゲームをすでにプレイ済みな人はもちろんのこと、ゲームはやったことがない人や、アニメ版をこれから見てみようと思ってる人にもオススメだ。
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