グレート・ロリーター・オニヅカ「ワン ホット ミニット」
2007年02月04日 18:40
(しばた@OHPのオススメ漫画)
今回紹介する「ワン ホット ミニット」は、ロリータ系専門エロ漫画誌としてブイブイいわせている「COMIC LO」にて活躍している鬼束直の第2単行本だ。1冊目の単行本「Life Is Peachy?」も、その愛くるしい作画でロリ者の間で評判となったが、この単行本も実に良い。そのかわいさが影響を及ぼす範囲は、ズブズブなロリ野郎だけに止まらない。「俺はロリじゃねえ!」とか思っている人の心の中に隠れた、潜在的ロリ心さえほじくり出しかねない威力を備えているのである。
鬼束直作品の魅力はなんといっても、すっきりスタイリッシュでいながら、甘くて愛らしい絶妙なバランスの作画にある。それでピチピチしててやわらかそうな少女たちを描いてくる。ロリといえば、大ざっぱにいって「幼女」タイプと「少女」タイプに分れるが、鬼束直の描くのは少女タイプ。年齢は10代前半って感じで、ほっそりしたプロポーションの娘さんが多い。髪型、表情、しぐさ、セリフなどはいかにもそこらへんにいそうでいながら、これがやたらかわいい。ここらへんはもう理屈抜きだ。
「ワン ホット ミニット」 鬼束直 茜新社
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「愛だけじゃ生きていけないの」より。お小遣いゲットをもくろむ妹(12)の誘惑に、お兄ちゃんの理性は崩壊寸前!(10ページ) |
この単行本収録の作品は、基本的に1話完結型。おまけページを除いて全9本の作品が収録されているが、そのうちの5本は妹モノ。さらに妹分的いとこの女の子のお話もあり、全体に妹成分がたっぷり。こんなコたちに「いやーん、お兄ちゃんのエチーッ」とかいわれたら、俺はどうしたらいいんだよっ!ってな現実味のない妄想に浸ってしまうような妹たちでいっぱいだ。
ストーリー的には明るめのものが多く、おおむね後味のいいお話が揃っているので、安心して心置きなく萌えられるのも良いところ。収録作品の中では、妹がお小遣い目当てでお兄ちゃんを誘惑してくる「愛だけじゃ生きていけないの」、北国に越してきた兄妹の物語「最果ての兄妹」、ツンツン妹の魅力にヤラれてしまう「Fire Cracker」、教師と少女の恋愛ストーリー「小さな彼女とある晴れた寒い日」、おねいちゃん(といっても12歳)がショタな弟を誘っちゃう「HONEY」あたりが個人的には良かった。
まあつらつら書いてきたけど、とにかく鬼束直の良さはその絵のかわいさにある。あとエロだけでなく、ラブコメ、ユーモアといった要素のバランスが良さも評価したい。ロリ者を自認する人でなくてもけっこう読みやすいタイプのエロ漫画なんで、書店で表紙を見てビビッと来た人は、試しに1冊買ってみちゃあいかがでしょうか。