オランダ妻は生ウナギの夢を見るか?「ユリア100式」
2006年09月05日 02:28
(しばた@OHPのオススメ漫画)
ダッチワイフ。それは男だったら一度は夢見る(かもしれない)けれども、ゲットするにはかなりの勇気がいるアイテムだ。しかしリアルドールがそれなりに人気を集めていることからも分かるとおり、根強い需要があることは疑いようもない。今回紹介する「ユリア100式」は、人間そっくりに作られた、夢のようなダッチワイフが主人公の物語である。
本作のヒロイン・ユリア100式は、マッドサイエンティストのおっさんによって作られた究極のダッチワイフ。パッと見は人間と変わりなく、自分でモノを考え動き、男を惹きつけるありとあらゆるテクや仕組みが満載された汎用人型ヒューマノイドだ。しかし彼女は開発者のオッサンにヤラれるのがイヤで町へ飛び出し、純朴でオクテな好青年・瞬介に拾われ、一緒に住み始める。ユリアには「最初にエッチした相手が御主人様として刷り込まれ、以降その相手の肉奴隷となる」というプログラムが施されていて、「瞬介ならいいかも」と思い始めるが、瞬介は田舎に彼女がいることもあって、けしてユリアには手を出さない。しかしユリアはついついダッチワイフの習性を発動させてしまい、瞬介とエッチなことをしようとしては、失敗を繰り返すのだった……。
■「ユリア100式」1巻~ 作:原田重光+画:萩尾ノブト 白泉社
|
■ダッチワイフとして生まれたユリアは、普通の女の子みたいだけど、常にエロいほうへエロいほうへと行動してしまう。そのオバカさんなノリがかわいくておかしい(第1巻33ページ)
|
というのが本作の大まかなストーリーだ。このように書くと、さぞかしエロい要素がてんこ盛りでぬるぬるぐっちょんな漫画に思えるかもしれない。まあ確かにユリアが裸になったり、エロい行為に及ぼうとするサービスシーンは多いんだけど、本作の場合、エロさよりもむしろ笑いが先に立つ。カラッと明るいドタバタギャグで畳みかけて、読む者を爆笑空間へと誘ってくれるのだ。
本作の最大の魅力はなんといっても、エッチなんだけどものすごいドジッ娘なユリアの天真爛漫なキャラクター。彼女がダッチワイフであることは知らず、普通の女の子として優しく接する瞬介に恋心を抱くが、恋愛感情と性欲の区別がつかず、ついダッチワイフの習性が暴走してエロいほうへ突っ走ろうとしてしてしまう。ドレッシングを振るときについ1秒間に16ピストンの手コキをしてしまったり、白濁したシャンプーを見ては欲情しちゃったり、寝ている瞬介を見てキスしようとしてたら無意識に朝立ちのほうに反応してしまったり……とその行動はけっこうバカっぽい。そして瞬介の固いガードと、持ち前のドジさで失敗してしまう。その過程が無性におかしい。
あとしつこいくらいに登場する「ユリア100式マニュアル」という注釈も、ダッチワイフならではのくだらないものが多くてこちらも笑える。それが何度も何度も繰り返されるので、出てくるたびにだんだん繰り返し効果で笑いが増幅していっちゃうのだ。そんなわけでちょっとエッチですごくバカなこの作品。ずっぽりハマッてスカッとできるイッポンだ。
■しばた@OHPのオススメ漫画の過去記事はこちら